だから何ですか?Ⅲ
それを案じているらしい凛生に軽々しく『大丈夫だよ』なんて言葉は浮上せず、静かに頭を撫でると息を吐く。
「まぁ、一つの提案なだけだ。あの和がお前とはずいぶん波長が合うみたいだから」
「・・・・・」
「本当は今日も会うつもりだったんじゃないのか?悪かったな」
あんまり深く考えるな。と、静かに話題を逸らして和との関係に意識を向ける。
この話題なら多少凛生らしさが戻るだろうか?と、言葉を続けて仲の良さを指摘してクスリと笑う。
そんな言葉を無表情で聞き入れ、終始窓の外を眺めていた凛生だったけれど不意に、
「・・・・・・・やっぱり・・疲れた」
「へっ?」
「・・・・・・・・送って、」
「送ってって、今まさに自宅に向かって・・・」
って・・・ああ、悪い。
野暮だったな。
話の流れからすれば送って欲しい場所なんて決まっていたのに。
汲み取るのが下手すぎたと自分に苦笑し、すぐにウィンカーを出すと向かっていた場所への道から逸れ始めた。
そうしてチラリ盗み見た凛生の口元がほんの僅か弧を描いていたのを見逃さなかった。
和様様だな。