だから何ですか?Ⅲ
どんなに抗おうか簡単に地位や権力に勝てるはずもない。
言えない。
それに言ったら・・・きっとこの人は仕事より私を選んでしまう。
それをしてくれるお馬鹿さんだから。
そんな選択をさせてしまったら私はきっと一生後悔する。
だとしたら、選択肢は一つであったのだ。
『別れましょう』
その一言に伊万里さんが絶望するのを知っていて口にした。
でも同時に私も絶望していたのだ。
私が・・・平気でこんな事を言えたと思っていますか?
ずっとずっと想い続けたあなた。
追いかけて、気を引きたくて、ようやくその意識を手に入れて、これ以上ないというくらいに愛されて。
幸せで幸せで・・・やっと、手に入れた私の全てであったのに。
『・・・傍にいないといけない人がいるんです』
今は・・・高城の傍に。
『大切な人を守ってあげたいんです』
大切なあなたを守るために。
『っ・・・他に・・・好きな奴が出来たって・・・事か?』
『・・・・・』
好きなものか・・・あんな奴。
『それで・・・・俺の事は嫌いになったって・・・・そう言う事・・・か』
嫌いになる筈がない。
今だって『嘘ですと』と口から突いて出そうになる。
泣きだしそうな程苦悶の表情を浮かべるあなたに抱き付いて抱きしめて『愛してる』と言えたらどれだけ良いのか。
でも、その幸せは一瞬の瞬きに過ぎない。
欲しいのは一瞬じゃなく永遠の。