だから何ですか?Ⅲ
いつの間に来ていつからこうして見つめていたのか。
鍵が開く音にも気がつかなかった。
音もなく軽く暗がりにいた姿には反射的にビクッと体が跳ねあがって、馬鹿正直に心臓がバクバクと暴れて顔が強張る。
そんな俺の反応に小さく笑って見せた亜豆が、
「すみません。・・・邪魔したくなくて声かけなかったんですけど。・・・・コレ、空だったので」
そう言って見せてきたのはさっきまで俺が飲んでいた炭酸水のボトルだ。
中身の有無を示す様に横に振って見せる亜豆がもう片方の手に持っていた新しい炭酸水をコトリと俺の目の前に置く。
それを静かに見収めるとすぐに手にして開栓し、口に運びながら視線を亜豆に。
「来るとは思わなかった。えっ?今何時?パーティーは?」
「今は・・・22時程ですね。パーティーは21時前には抜けて、ここに来たのは・・・30分ほど前でしょうか?」
「はっ?30分も声かけずに待ってたのかよ?」
「はい、仕事に集中なさってたので。だって、中途半端に集中を中断されるのって嫌じゃないですか」
「いや・・・まぁ、そうだけどさ、」
「それに、・・・伊万里さんの夢中で仕事してる姿好きなんですよね」
「っ・・・・」
コレだから・・・・お前と居るのが安心するのかな。