だから何ですか?Ⅲ


・・・・・

・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・?






あ・・れ?


『パシン』?


もっと、・・・ガツンとかゴツッとした音が耳にも体にも響くのだと思っていた。


こんな・・・乾いた音?


と、言うより・・・





痛く・・・ない。






「・・・・『くそ』は・・・どっちだ」


「っ____」






低い低い、負けず劣らず狂気と憤怒ばかりの低い声。


初めて聞くかもしれない憎悪の声音。


それでも恐いなんて思わない。


どこまでもどこまでも・・・・、



「い・・まり・・さ・・・」



安堵する。






自分の顔より僅か離れた位置で静止させられている高城の拳。


その動きを制する様に手首を拘束しているのは伊万里さんの手だ。


予想外の介入者に高城が驚愕を見せた瞬間には伊万里さんの拳が容赦なく降り切られ、その勢いをもろに食らった姿が背後に殴り飛ばされ床に蹲ってうめき声を響かせた。


人間・・・安堵し緊張が緩むと麻痺していた痛みが鮮明になるらしい。


痛い・・・。


ギシギシ、ズキズキ、ヒリヒリ、どこもかしこも痛む体が安堵と共に悲鳴を上げている。



「っ・・いま・・り・・さ・・・」



動けぬ体の視覚から消えた姿を探したいのに、痛みが強烈でままならない。


声すらも発するのが苦痛で掠れて。


でも・・・見たい・・・触りたい・・・


・・・・触って。



< 292 / 381 >

この作品をシェア

pagetop