だから何ですか?Ⅲ
そんな会話の間に、どうやら寄り道してきたらしくビニール袋からチョコレートの袋を取り出し開封すると俺の横にバラバラと置きにくる華奢な白い手。
「何も食べてないんでしょ?せめて糖分は取ってくださいね」
「糖分?俺はてっきり欲情しろって意味なのかと思った」
「フフッ、そうですね。まぁ、浮気相手さんの相手がまだ中途半端でしょう?しっかり満足させてから私の相手もお願いします」
「寛大だなぁ」
「そうでしょうとも。その寛大な彼女様は色々と使用させてもらってもかまいませんか?」
「フッ・・・今更だな。ご自由にどーぞ」
どこまでも俺のペースを理解している。
仕事をもう少し進めたいという欲求すらも。
それを阻むことなくむしろ優先させてくれて、今もふわりと笑うと静かに向きを変えて廊下の方へと歩いて行った姿。
洗面所に向かったのであろう、小さく聞こえる水音に小さく笑い、もう一口と炭酸水を口に流し込むと意識は仕事へと回帰させる。
時折、置かれたチョコレートに無意識に手を伸ばし頬張って、ひたすらに画面に映るデザインと睨み合ってどれほどか。
色々なカラーバリエーションに迷い、ロゴの字体に頭を悩ませ、そうして夢中になっている時間は瞬く間。