だから何ですか?Ⅲ


出来た!と、印刷ボタンを押して体を立ち上げるとプリンターの前に。


印刷されてきたデザインの異なるポスター案2枚を見比べて、満足に興奮しながら『よしっ』と小さく声が漏れる。


どちらがより印象的か。


自分としては【こちら】というモノはあれど、ここは客観的意見も重要視すべきだとようやく亜豆の存在を思いだして視線を動かす。


暗いリビングには人っ気はなく、だとしたら寝室だろうと興奮のままに向かって暗い廊下を抜け寝室の扉を開けた。


中に入れば淡いルームライトだけがぼんやりと室内を照らしていて、大き目なベッドの上では俺の服を纏った亜豆が布団の上に横たわって寝息を立てている。


そんな姿に遠慮なしに近づいて、『おいっ、』と体を揺すって起こした俺は後々で反省。


その瞬間は只々仕事ハイ。


『んっ、』と声を漏らし薄ら目蓋をあけた亜豆に持っていた2枚をズイッと突きだし見せつけると、



「どうだ?お前だったらどっちが良いと思う?」



亜豆から見た俺はどこまで嬉々として興奮して見えたんだろう?


いきなり眠りから覚醒させられた亜豆が寝ボケ眼で呆けていて、それでも目を擦ると今度は状況判断するように眠そうな目を凝らして見つめ。


俺と突きだされた2枚を捉えればようやく事を理解したらしい。

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