だから何ですか?Ⅲ
無理矢理にも寄せたらしい眉間の皺。
それを突き崩す様に眉間に口づけると限界だと言わんばかり、決壊したようにポロポロと涙を零し眉尻を下げた亜豆の口から、
「好きです。・・・・・『おかえり』って・・受け入れてくれますか?」
アホか。
告白したのは俺の方で、お前はそれに対してYESかNOの返事を返す側で。
なのに・・・何改めて告白返しをしてきているのか。
でも、これはきっと・・・別れを口にした瞬間からの亜豆が抱いていた不安の全て。
嫌われても好きでい続けるだけ。
好きになってもらうだけ。
そんな感情を虚勢だとは言わないけれど、きっとそれすらも本心であったのだろうけれど。
今吐き出した不安も本心からの物。
誰だって・・・好きな相手に嫌われたくなんてない。
好意を失いたくなんてない。
ずっと当たり前であった場所に自由に出入りできず触れることが出来ないもどかしさや切なさは俺も痛い程感じていたから分かる。
特に亜豆にとっては望んで望んでようやく手にしていた時間と居場所であったのだ。
「ばーか、」
「ふっ・・ううっ・・・」
「『おかえり』って言ったら、・・・もう逃がさねぇぞ?」
いいのか?と、もったいぶったような切り返しを口にして頬を撫でれば、すかさず重なってきた唇の甘い事。
比喩ではなく・・・甘い。
甘ったるい。
カスタードの・・・バニラの甘ったるさにひたすらに酔いそうだ。