だから何ですか?Ⅲ
「っ・・・狡いぃぃ」
「フッ・・・何が?」
「全部っ!!全部ですよ全部っ!!」
「ハハッ、そうかぁ?」
「何が『食べてろ』?『勝手に進める』?呑気にシュークリームを食べて貰う物じゃないし、聞く話じゃないじゃないですかっ、」
「別に俺は構わないけど?」
「構えっ!!こんな完璧なサプライズ出来てるのに、何で感動してるのが私だけなんですかっ!!」
「あはは、結局怒ってんのか?喜んでるのか?」
「両方ですよ!!」
なんじゃそりゃ。
確かに本人が言うように両者の感情が同時に自分に降り注いでいる気がする。
感極まって縋りついているのに、複雑な不満や葛藤が罵声的に音となって。
それでも、巻きつく腕の力は強まって、もっとしっかり抱きしめてほしいとばかりに身を寄せてきているのは都合のいい気のせい?
「狡い・・・」
口元が埋まっているせいでくぐもった拗ねたような言葉の響き。
それすらも愛おしいと頭を撫で『ん~?』と疑問の声を響かせ返すと。
「・・・『だから、何ですか?』」
「フッ・・・」
「そう・・言わせてくれなかった。・・・『欲しい』だなんて結論を言われたら・・・強気になんてなれない。・・・それが一番狡い」
「先手必勝。・・・それに、誰かさんに勝つには大人な駆け引き無しの直球勝負が一番勝算があるって学んだからな」
「っ~~~・・・・好きです」
「・・・だから、何ですか?」
ああ、してやったり?
すかさずその切り返しを挿し込んでやれば実に悔し気な赤ら顔の涙目がこちらを見上げて非難する。