だから何ですか?Ⅲ



唇から舌から息までも甘い。


チョコレートの甘さよりももっと脳内を酔わせて溶かすようなバニラの匂いは思考が鈍って馬鹿になりそうな。


逆上せてトロけて抑制までも飛ばしてしまいそうであるのに、それをギリギリ保たせるのは相変わらず拙い亜豆のキスのせいか。


こいつの拙さはストッパーなのかもしれない。


相手が我を忘れきって食らいつかないための。


それでも十分に・・・忘れかけて貪っちまうんだけど。


時々無理矢理な息づぎを入り込ませ漏らす声には自分の内側が沸々と熱を上げるのが嫌でも分かる。


でも、さすがにこの場所で、しかも明るい日中に突っ走るのには羞恥心を後押ししてやるべきだろう。


下手したら他の車体から見られる可能性もあるしな。


そんな理性をなんとか保って唇を離し、クールダウンだと亜豆の顔を覗き込めば・・・逆効果。


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