だから何ですか?Ⅲ
そうして新郎新婦退場の場面になり『おめでとう』の言葉と一緒にひらりと舞い散る鮮やかな花びらがヴァージンロードに広がっていく。
持ち分の花を放って後は拍手で2人を見送って、2人が開かれた入り口で振り返り一例すればチャペル式の終幕だ。
一度扉が閉められ係の人間が次の会場へと誘導しながら、ブーケトスや写真撮影なんかの説明で声を張っていて。
それを横目にロビーに抜けるとすでにブーケトスのイベントに集って盛り上がっている女性客が目に入った。
女子は好きだなぁ、こういう事。
そんな感想を抱きながら少し遠巻きな位置に自分の身を置いて、朝の仕事の疲労から欠伸を小さく零していれば。
「眠そうですね」
そんな聞きなれた声音がストンと隣に身を置いてくる事には苦笑い。
だって、
「お前はあの輪にハマらなくていいわけ?」
「あんな猫娘の集団内に入って身を危険にさらせと?」
「ブハッ・・・お前笑かすな。本当にブレねえな。式の間も泣きもせず無表情だし」
「今更2人のいちゃつきを目の当たりにして感涙も何もないでしょう?」
「あははは、お前のそういう一般女子じゃない感覚好き」
「良かった。伊万里さんがそういう奇特な好みの男性で」
「ザ・両想い」
「相思相愛おめでとう~ってとこですか?」
お互いにチラリと視線を向けて、視線が絡めば堪え切れずにフッと小さく噴き出した。
そんな間にも着々とブーケトスの準備は進んでいて、階段上の鉄柵から姿を見せた2人がブーケを掲げる姿にカシャカシャとシャッター音も響いている。