だから何ですか?Ⅲ



そんな光景を特別何も思わず客観的に眺めていたタイミング。



「・・・で?」


「・・・えっ?」


「ほら、式前に私に何か言いかけていたでしょう?」


「ああ、あれか」


「はい、それです」



何の話だったんですか?と問いかけるくせにその視線は盛り上がっている人だかりに向いている。


そんな亜豆の姿に意識を引くべきかと迷うも『まあ、いいか』と結論を打ち出し一息ついた。



「一緒に暮らさないか?」



そう告げれば間違いなくその意識はこちらに向くと分かっていたから。


案の定というのか、まっすぐにイベントに向いていた意識がスッとこちらに移り変わってくる。


そんな瞬間に向こうではまさにトスが成されたであろう盛り上がりの歓声が上がった。


それでも俺と亜豆にはどこまでも一線引いた場所の盛り上がりで、今はそちらよりもお互いの事へと意識が集中しきっている。


ほんの少しの驚愕を揺らした双眸が俺を映しこんで不動になっていたけれど。



「・・・どうしました?この空気に当てられました?」


「いや、そうじゃなくて・・・・いや、少しそうなの・・か?でも前々から思ってはいたんだよ。半同棲の『半』は要らないんじゃないかって」



それを口にしようと思ったのがこの場であるなら、やはりこの空気にあてられてという事なんだろうか?


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