だから何ですか?Ⅲ
自分の動揺がもろに明確な追及の言葉にますます自分が追い込まれた瞬間。
「っ・・・・」
「・・・亜豆?」
瞬き少なく見開かれていた双眸からポロリと零れ落ちた涙にはさすがに驚かされて余計な思考が全て飛んだ。
どういう意味の涙なのか。
歓喜からか悲哀からか、予想のつかない涙にただただ呆然としていれば、『あ~』と感情を鎮静させるような亜豆の声が小さく響いて鼓膜を擽り、
「驚いて・・・涙が出ました」
「・・・・え・・と?」
その驚きに繋がるのはどういう感情?
どうも自己完結している亜豆の姿に俺だけが今だ戸惑いに揺れていて、結局は合否どちらのそれなんだ!?とひたすらに見つめて反応を待っていれば。
キュッと軟な力で摘ままれ引かれた上着の裾。
一瞬上着を引いた華奢な手に意識が移り、すぐにどういう事かと表情に視線を動かせば。
あ・・・可愛い。
薄化粧の下に薄紅を浮かべ、何とか無表情を保とうとしている姿に悪い予感は一瞬で粉砕。
それを肯定するように、
「・・・・嬉しい」
ポツリと零された声は下手したら周りの賑わいに掻き消されそうな程小さいものであったけれど、俺の鼓膜には他の音よりも鮮明に明確に響いて反響する。