だから何ですか?Ⅲ
ああでも・・・、
「っ・・・も・・泣きそう」
「フッ・・・泣いてんじゃんか」
亜豆が喜ぶなら・・・時々なら音にしてみようか。
そんな事を思いながら寄せた唇はどちらからともなく。
賑わいの集中はどこまでも主役の2人に向いているのを好都合に、啄むような口づけをしばらく繰り返してからそっと離れた。
「愛してる、」
「フフッ・・・愛して・・ます?」
「あ、てーれーた―。亜豆でも照れるんだ」
「照れますよ。だって私純粋な日本人だし」
「愛してるよん、お嬢ちゃん」
「伊万里さん、いい加減にしないと愛してるの響きを格下げしますよ」
「ブハッ・・・悪い。でも本当に・・・愛してますよ。亜豆凛生を」
茶化してみれば不貞腐れた亜豆にクスクスと笑いつつも謝って。
そっと頭に片手を回し、軽く胸元に引き寄せると内緒話の様に耳元で再度の告白。
それには素直に愛らしい笑みを浮かべた亜豆が視線を絡めて更に屈託なく笑って見せてきて、その姿に愛おしさが増せば・・・。
ああ・・・・やっぱり・・・
「もう一つ・・・訂正」
「はい?・・・何ですか?」
笑顔のまま俺の言葉に問いかけ直す姿の頬を撫で、俺を見上げる大きな目が瞬きをしたのを見収めたタイミング。