だから何ですか?Ⅲ
胸の上でサラサラと動く髪が擽ったい。
それでものしかかる体重は程よく心地よくて温かくて。
俺の肌に残る痕を満足そうに指先でなぞる姿は床に突っ伏してクレヨンで絵を描く子供の様にも映って見える。
そんな亜豆の頭を撫でたのは無意識。
撫でて触れてようやく自分の意識が『撫でている』と追い付いて、
「・・・・って、事で暮らさないか?」
「・・・・・・・・・・・えっ?」
「・・・・・・・・・・・・っ・・あ、」
無意識に口からついて出た言葉にすら意識は後追い。
追いつき発した言葉を自覚すれば自分で酷く驚愕して目を見開いてしまっていた。
そんな双眸に映りこむのは同じく驚愕に満ちている亜豆の姿で。
何が『って、事で』なんだ俺・・・。
何にも接続されてねぇじゃん。と自分に突っ込みながら心では葛藤と悶絶。
確かにここ最近そんな俺らしくもない願望というか欲求というかがチラついてはいたけどさ。
まだ自分でも色々と温め慎重に考慮してと思っていたのに。
なのに、何故かポロッと口から零れ落ちてしまった一言は、今更『見るな』と隠し拾い上げる事は出来ず。