だから何ですか?Ⅲ



それに合わせて自分もグラスを手にして何となく未消化な感情をビールで流して飲み込んだ。



「で?ミケとは何か話したんですか?」



さっきの反対?


今度はこっちの番だと含みたっぷりに笑んで問いかけてくる姿には未消化の問題はスッと忘れてしまった。


浮上したのは先程の自分と類似するあいつの近況。


それには素直に笑いきれず何とも言えない複雑な弧を口元に浮かべてしまっていたんだろう。


それを見て見ぬふりをする亜豆でもない。



「なんか・・・また、」


「あっ・・・いやいや、違う違う。なんもされてねぇし言われてねぇから。もうそんなつもりねぇよあいつ」


「です・・・よね?私もそう思ってたのでちょっと驚きました」


「本当、あいつが俺達の関係にどうのって事じゃなくて・・・どっちかって言うと俺の問題かな」


「伊万里さんの?」



一瞬変に誤解しそうになった展開に慌てて修正を効かせて、躊躇いながらも本題を口にし始める。


なんとも言えない贅沢と言うか我儘な悩みであるから口にするのもどうなんだ?と思っていた事だけども。


黙っている方が亜豆はきっと未消化な感情で不愉快な思いをするだろう。



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