だから何ですか?Ⅲ




「最近な、大口の仕事が回ってこなくて欲求不満って話」


「・・・・・」


「あ、一応な、仕事は回ってくるんだぞ?でも求人広告とかDMとかさ。仕事に差を感じてちゃいけないて分かってんだけど・・・なんつーか・・・ワクワクはしねぇよなって」


「・・・・・」


「大きい仕事ってすげぇプレッシャーあって悩みも当然大きくてキツイ事もあるけどさ。全部含めて完成した時に言いようのない達成感?・・・あの高揚感は・・・癖になるんだよな」


「・・・・あの、ポスター案の時みたいに?」


「そう!まさにああいう感じ!あ~、あれだよ・・・。ああいう感じをさ・・・ずっと感じていたいってのは贅沢な悩みなんだろうな」



どんなに自分が頑張ろうが若い感性には負け始める時期が来る。


それは俺も重々承知をしていたつもりだった。


それでもそれはまだまだ先の事だと自分の感性を信じ切って誇ってプライドを持って仕事に向かっていたつもりだった。


それ故に不意にパタリとそれが得られなくなった反動は大きくて。


でも理由として『若手育成』だと言われてしまえば納得せざるを得ない。


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