だから何ですか?Ⅲ



「ずっと最前線に居続けるって・・・難しいのかねぇ」


「・・・伊万里さんの仕事は素晴らしいですよ。欲目なしに」


「サンキュ。まぁ、若者を立てて先輩は一歩身を引けって事なんだろうな。・・・ちょっとそんな欲求不満に自分の衰えか?って不安がよぎってたからさ。・・・三ケ月もなんか同じ様な近況らしくて」


「ミケも・・・」



不意にトーンの変わった声音に意識を引かれ、落としていた視線を静かに戻せば映り込むのは物思いにふけるような亜豆の複雑な表情。



「・・・・悪い。辛気臭い話になったか」



さすがに空気を落としたかもしれないと、話しを投げるように亜豆を覗き込み反応を伺った。


すぐに物思いの姿が消えて絡んできた双眸には僅かに安堵し、『悪いな』と言う感情を乗せて軽く笑って見せると亜豆も小さく口の端を上げる。



「大丈夫ですよ」


「ん?」


「伊万里さんは伊万里さんの才能を馬鹿みたいに信じて誇ってればいいんです」


「お前・・・馬鹿言っただろ?」


「私仕事馬鹿で自信過剰な伊万里さんのファンですから」


「なんかすっげぇ馬鹿にされてる気がする」


「馬鹿だって褒めてるんです」


「お前なぁ、もっと彼女らしい慰めとか励ましとかないわけ?」


「彼女らしい?・・・ああ、じゃあ」


「ん?」


「自信喪失なんてしたら見切りつけて捨てちゃいますよ」


「・・・・・・・こっわぁぁぁ・・・」


「フフッ、溺愛彼女だからこそ効果覿面な励ましでしょう?」



いや、普通になんかゾクッて、・・・ゾクって・・・。




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