だから何ですか?Ⅲ
自棄な感情のまま為した行為は記憶が曖昧だ。
どこまで最低なんだ俺。
「悪い・・・」
そう零し落として亜豆を組み敷いていた体をゆらりと起こして項垂れる。
それを追う様に静かに起き上がってきた亜豆が顔を覆い俯いたままの俺にそっと腕を絡めて抱きしめた。
相変わらず・・・柔らかい匂いがする。
匂い一つで落ち着いてと安定剤の様な。
髪を絡めるように頭を撫でてくる手の感触が優しくて、更に頭に落とされる口づけが甘すぎて切ない。
「安心しました、」
最低な俺に不相応な優しい抱擁をどれほど?
不意に落とされた言葉の響きには意図が分からずに顔を上げた。
そうしてすぐに覗き込んでくる顔は俺の戸惑いなど受け流してふわりと笑い、頬を両手で包んだかと思うと触れるだけの口づけをしてくる。
「・・・・亜豆?」
「・・・・・・悔しいという感情があるうちは闘争心がまだあるって事」
「・・・・・」
「まだ、伊万里さんは伊万里さんです」
「っ・・・・」
「何にも・・・『悪く』ないですよ。好きだからこそ抱いてしまうその葛藤は悪意じゃないです。似ているけど・・・間違っちゃダメですよ。ただ・・・好きな事にストイックなだけ」
「亜豆、」
「私は・・・伊万里さんのストイック支持者ですよ」
お前の言葉は・・・お前だからこそまっすぐに響いて効果をもたらす。