だから何ですか?Ⅲ





「別れましょう」



デジャブの様にもう一度。


一度目は静止を、二度目の今は俺に正気を呼び戻し、咥えていた煙草を地面に捨てると足で踏みつぶした。


それでも終始意識は亜豆に向けたままだ。


だって・・・何で、



「っ・・・ちょっと待て、・・・はっ?・・本気・・・か?」


「・・・本気でなければこんなわだかまり残りそうな言葉を言わないかと」


「ちょっ・・・えっ?・・・真面目に・・・意味が分からねぇよ」


「・・・・そのままです。・・・・そのままの意味ですよ」


「っ・・・・」



ちょっと待てよ。


何でそんないつものように冷静に。


こちらは突如の決別の言葉にあからさまに動揺して取り乱しているのに、対峙する亜豆はどこまでも冷静でどこまでもいつものまま。


良くも悪くも無表情で感情の読めない姿。


こうして同じ言葉をぶつけられてもなかなか受け入れる事の出来ない葛藤で頭を抱え、答えは明確なのに違う意味を探して迷走する。


そんな俺にダメ押し?



「本当は・・・もっと早く言うべきだったんです」


「っ・・・」


「もっと早く・・・行動すべきだった」


「ちょっと・・・黙れ、」


「でも、離れるには少し不安な状態で、」


「喋るなって、」


「でも・・・大丈夫だって確信しました。・・・今のあなたを見て」


「っ____」



どこまでも凛と冷静な声の響きが痛い。

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