だから何ですか?Ⅲ
嫌われてもおかしくないと思っていた今までの自分の状態だ。
むしろ何でずっと亜豆は俺を見捨てずに寄り添ってくれていたんだろうと思うほど。
本当は嫌気がさしていた。
見切りをつけたかった。
他の奴に心が移っても当然だ。
俺のそんな思考と理由を肯定するような亜豆の一言があれば。
『嫌いだ』と一言否定することで肯定してくれたら。
「・・・伊万里さんが好きですよ」
「っ____」
否定の言葉を求めて、どこか懇願するように亜豆の双眸に視線を絡めたのに。
俺とは違って終始微塵も逸らすことなくまっすぐに向けられた眼差しはいつだって純度が高い。
嘘偽りがなく、自分を誤魔化そうなんて意志は見えない。
いつだってその時持ち合わせる信念のまま。
そんな亜豆が好きだった。
「伊万里さんに・・・・偽った感情なんてぶつけた事ないです」
「っ・・・じゃあっ・・・何でっ・・・」
分かってる。
分かってるよ。
分かってるからこそ・・・・分からねぇ。
ついさっきの熱情的な時間も、今この瞬間も、どちらも嘘偽りがないからこそ訳が分からない。