だから何ですか?Ⅲ
亜豆・・・何でだよ?
そんな疑問ばかりだ。
別れた瞬間からずっと亜豆には疑問ばかり。
尽きぬ疑問は自分の中に溜まる一方で消化もされずに腐敗して。
そんな影響受けて好きだった仕事を楽しむなんて出来る筈ない。
教えてくれよ。
いや、違う・・・、
ただ単純に・・・会いたい。
馬鹿みたいに走らせていた身体を大通りまで連れ出すとタクシーに乗り込む。
財布を持っていて良かった。
金もある。
そうして、名刺に記載されている社名を告げ身を運んでもらうのも恙無く。
酸欠と疲労でグッタリとしつつも何故か心だけは息づいている。
まるで今までの真逆の様だと自分自身に苦笑い。
ゆっくりと動きを止めた車のから金を払って飛び出して、軽くフラつく足取りで社内に入って周りを見渡す。
広く天井も高く開けたエントランスフロア。
行き交う人間は殆ど社員であるのだろう。
携帯片手に話しながらいそいそと歩く姿や鞄を持って外回りの人間。
どこも変わらないな。と、思う様な社会的な光景。
そんな景色を意識したのは一瞬で、すぐに受付に駆け寄ると、愛想も礼儀もいい受付嬢が頭を下げ用件を確認してくる。