だから何ですか?Ⅲ
そう言えと亜豆に言われたのではないかと。
本当は迷惑な存在だと、ブラックリストにでも名前を連ねたんじゃないかと。
最低な疑心暗鬼。
つくづく今の自分に嫌気がさす。
「此方の方で言付かりましょうか?」
「・・・いえ、また改めます。お手数をおかけしました」
ああ、今更に酸欠。
落胆した身にツケの様に回る疲労と過労と栄養失調と。
ふらりとした足取りで諦めつかぬ感情を引きずり入り口へと向かう。
時々、居ないだろうか?と振り返ってみるも捉えるのは他人の波ばかり。
現実は甘くない。
夢の様にいくはずないだろう?と言われているようで。
皮肉にもこれが夢ではなく現実だと実感しながら外の空気に身を晒した。
さて・・・どうやって帰ろうか?
少し歩いて大通りでタクシーを拾う?バス?
それとも電話で呼び出すか。
抜け殻の様な感覚でそんな帰路についての選択肢をぼんやりと上げていれば、都合よくタクシーがロータリーに沿って走り寄ってくる。
丁度いい、あの車が空いたら乗せてもらおうなんて結論もぼんやりだ。
多分支払いをしている最中の車から視線を外し、女々しくも建物を振り返り息を吐く。