once again〜season2〜
「最近どうだ?」

帰ろうとしていた私に父が声をかけてきた。

「なかなか忙しくしてるわ」

「そうか、悠貴も何か新しい事してるみたいだな。お前も何か知ってるのか?」

夏帆さんの病院の話をしているんだろう。父には兄から何も話はしていないと、聞いているから私から何かを言うつもりもなかった。

佳織さん達が病院に入った、とこの間兄から聞かされていた。
事務の中原さんも入り、兄も経営を手伝ってるとも。

「私はあまり詳しくは聞いてないから。SEIWADOの方はどうなんですか?何か不都合でも?」

「いや、そつなくやっているみたいだ。私も身体と相談しながらの仕事だからな、悠貴にばかり負担をかけさせてるんじゃないかと気になってな」

「兄さんは楽しくやってるみたいよ。やっぱり、SEIWADOは兄さんでよかったのよ。私が継がなくてよかった、って思ってます」

そう、嘘はなかった。
兄が継いでくれたから、こそ今のSEIWADOがあると思ってた。

「そうか。結婚式の話、楽しみにしてるぞ。また日取りが決まったら教えてくれ」

私と瑠璃の肩を叩き、父は笑顔で言った。

「自慢の娘二人だよ。嫁にやるのが惜しいよ」

久しぶりに見た、昔よく見ていた父の笑顔だった。
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