once again〜season2〜

「瑠璃、久しぶりに見たね。お父さんのあんな笑った顔…」

「そうだね、私達がまだ小さかった頃は、よく笑ってたけどね。仕事が忙しくなるにつれて、笑わなくなってたもんね」

高瀬の家を瑠璃と一緒に出た私は、車に乗り込む前に少し話をしていた。

それを見ていた蓼科さんが声をかけてきた。

「瑠璃様、涼香様、もうお帰りですか？」

「あ、蓼科さん。えぇ、話が終わったんで帰ろうかなって…、それに私達を様付けで呼ばないで、っていつも言ってるでしょ」

「申し訳ありません。これだけはなかなか抜けなくて…」

「そうそう、私達合同結婚式挙げることになったの。蓼科さんも出てね？」

「え？わ、私がですか？」

瑠璃が結婚式に出てね、と声をかけると、蓼科さんは驚いていた。
ただの運転手なのに、とんでもない！と。

「そんな事ないですよ。蓼科さんは私達にとって大事な家族と一緒ですよ。奥様にも招待状出すので、よろしくお願いしますね」

私が話をすると、瑠璃もそうそうと横で頷いていた。
父の専属の運転手である蓼科さんは、私達にとっても大事な人だった。