once again〜season2〜
父と話をしていると、瑠璃が家に帰ってきた。

「あれ?涼香いたんだ?何かあったの?」

「ううん。ちょっとお父さんに話があってね。瑠璃はどうしたの?」

コートを脱ぎながら瑠璃がリビングに入ってきた。

「私は、兄さんに話があってきたの。兄さんいる?」

「え?兄さん?まだ会社じゃない?帰ってきてないみたいよ」

「そうなの?電話しとけばよかったかな…」

「悠貴になんの用なんだ?瑠璃」

「あ、直接兄さんに言いたかったんだけど…お父さんでもいっか。あのね…」

瑠璃が父に言ったのは、結婚式の事だった。
やっぱり、瑠璃も兄の悠貴から、結婚式の事でかなり話をされていたらしい。まだ瑠璃の方は、やり手の天城さんと怜さんがいるから、押しが弱かったみたい。
でもここへ来て、しつこく話をするようになってきていい加減頭に来たみたいだった。

「瑠璃、その話ならもう大丈夫だ。悠貴にも母さんにも、個別で結婚式はする。披露宴も別だと話は納得させた。安心しなさい。ビジネスにしたいなら自分の結婚式でやれと言ったから」

「えぇ!」
「うそ、ほんとなの?」

二人で声が重なった。
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