once again〜season2〜
瑠璃と涼香が帰った後、悠貴は持って帰ってきた書類を部屋で片付けていた。

♪♪♪♪♪♪♪

携帯が鳴り、ディスプレイを見た悠貴は溜息をついた。

「…はぁ。なんだ？園田」

電話は、秘書の園田からだった。
あからさまに嫌なのが分かるような態度で出てしまった事に、悠貴はしまったと思ったが、遅かった。

「…溜息つきましたね？社長」

「な、なんだ？用件は？」

「社長のお見合いの話ですよ。会長から聞いてるでしょう？」

見合いか、そんな話してたっけ？
そう思いながら、そんな話を昨日親父としていたなと思い出していた悠貴は、園田にそれがどうした？と聞き返していた。

「来週に決まりましたので、個人的な予定を入れないように、お願いしますね」

わざわざそんな連絡をこんな時間にしてきて、園田の奴…

「ん、分かった。それだけか？」

「それだけ、ですよ。では、失礼します」

そう言って、園田は電話を切った。
妹二人の結婚式をビジネスに繋げようとしていた悠貴だったが、父に咎められ少し苛立っていた。

「お前の結婚式でやれ、って言ってすぐの見合い話かよ。はぁ、特定の人を作ってこなかったからなぁ。瑠璃達を利用しようとしたんだから、これも仕方ない事か…はぁ」

これまで、悠貴は特定の女性を作ってこなかった。自由に遊びたかったから。しかし、悠貴も29歳になり、ここへ来て見合い話が本格化してきたのだった。
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