once again〜season2〜
見合いか、所詮人ごとだと思っていた。
俺には関係ない、と。
でも、そうはいかなくなってきていたって事か…

悠貴は、秘書の園田から言われた見合い話に頭を抱えていた。

個人的な予定を入れるな、か。
いっそのこと入れてやるか…

もうすぐ30だ。早く身を固めろという事は分かってるんだがな…
SEIWADOの社長に就任してまだ1年ほど…
何もかもが、早いんだよ。まったく…

会社の事は、涼香が継ぐもんだと思っていたのに、いきなり嫌だと言い出したから、長男と言うだけで、俺に回ってきた。
昔から、夢だった医者を捨てなければいけなくなった。

そう、研修医の期間が終わりやっと、一人前の医師として働き出していた時に、その話が来たんだ。

同期だった幼馴染の陽が今辞めるのかよ!と止めてくれたけれど、これもまた運命と俺はSEIWADOを取った。
本当ならあのまま医師として働きたかった。
ただ才能があるからと、SEIWADOの事を涼香に任せっきりだった。その間、俺は好きな医者になる為にと勉強していたことも事実。あれごなかったら、勉強すらも出来ていなかった。
それを考えると、涼香には頭が下がる思いだった。

ただ、出来る事ならそのままSEIWADOを継いでほしかった…それだけだった。
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