once again〜season2〜
社長室に戻った私を蓮さんは、心配そうに顔を覗かせた。

「何かあったのか？」

私は、今聞いてきた事を蓮さんに伝えた。

「はぁ、そうか。そんな事があったのか。俺も知らなかったよ、匠には涼香の事や会社の事で世話になったからな。やれる事があるなら、俺も手伝わせてくれ」

「蓮さんなら、そう言うと思ってました。だけど、今回は私が出ますね。佐伯社長とは昔に面識があるので…」

「分かった。何かあったら言ってくれ。いつでも出て行くから。…じゃあ、会食に行こうか」

私は蓮さんとは兄との会食の場に出かけた。


車の中で蓮さんは、首を傾げていた。

「しかし、いつの間になんだ？匠のやつ、俺は全然気がつかなかったんだが」

「私はあの日送ってもらった時に、何かあったんじゃないのかな、とは思ってたんだけど、まさか結婚の話まで出てるなんて思ってもなかったの」

二人で唸っていた。
ただ、室長と美玲の幸せを望む気持ちは同じで、いい事に進むように 願った。

「涼香、俺達も難関が待ってるけどな」

笑いながら蓮さんは、運転していない方の手で私の手を握った。私もその手を握り返した。

「今日は、兄には喋らせないから、安心して下さい」

「そんな事言って大丈夫なのか？」

私は笑顔で蓮さんを見つめた。
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