once again〜season2〜
「涼香？どうしたの？」

私が一人、ブツブツ言っているのを見て、美玲が心配になったみたい。

「美玲、大丈夫よ。私、長峰堂の佐伯社長なら知ってるの。私の父も知ってるから、直接会って今回の事聞いてみるわ。でもね、場合によっては、覚悟がいる事よ。室長、もし会社に入れと言われたら、長峰堂に入る気はありますか？」

「私が？」

「えぇ。あの佐伯社長なら言いかねないんです。出来る男なら会社を継げと言われる可能性もあります」

私がまさかそんな事を言うと思ってなかったみたいで、室長はかなり驚いていた。
美玲も私が、自分の父を知っているとは思わなかったみたいで、戸惑っていた。

「涼香…、そうなったら…」

「後は、室長次第です。もしもの事も視野に入れて下さい…」

そこまで話をしたところで、蓮さんから電話があった。

「涼香か？まだ戻ってきてないのか？匠に何か言われたのか？」

また、いつもの事だと思った蓮さんからの連絡だった。

「いえ、ちょっとありまして…、今から戻ります」

私は、兄との会食もあるからと、一旦その場を離れた。
美玲には、私の方から動くから、それまで待っていてほしいと伝えた。
室長にも、この件は蓮さんに話をするからと伝えた。

「美玲、いい返事が出来るように頑張るからね。室長と安心していて」

それだけ言って私は社長室に戻った。
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