星空電車、恋電車
そう言えば、京平先輩は後輩女子に人気があったっけ。
明るく楽しく同じ目線で話をしてくれる人だって。見た目も悪くないし。多少チャラく見えるのはこの軽い口調のせいで、黙って立っていたらそこそこおモテになるんじゃないだろうか。

「はいはい、塩辛のグミなんてすごい発想だと思うし、このグミの形も凄いとオモイマス」

「お前全然思ってねーだろー」

「いえいえ、思ってますよぉ。だから買ってきたんじゃないですかぁ」

不満顔の京平先輩に「続きどうぞー」と促すと、先輩もすぐに気を取り直しタコの形のグミをつまみあげた。

「あっ」

タコは先輩の指先から逃げ出すように転がり落ちそうになって
「おっと・・・・・セーフ」私の差し出した左手に無事キャッチ。

それを京平先輩に返すと、「ありがとう。ありがとな、マジで」と握手されるほどに感謝された。
・・・・どんだけ塩辛好きなのよ。少々呆れたけれど、もちろんそれは口にしないでおいた。





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