姫は王となる。
コツコツと足音を立て部屋に入ると、ベッドの上で横たわる二人の姿。
「…」
間違いなく、お父様と兄様だった。
「…しばらく1人にさせて」
「はっ」
そう言うと、静かに扉が閉まった。
静まり返る、部屋の中。
「…お父様…兄様…」
ゆっくりと、ベッドに横たわる二人の元に近づく。
二人の顔を覗き込むと、複数の切り傷があちらこちらにできている。
致命傷になった傷口は塞がれているが、大量の血が流れたんだろう…着ていた服は、真っ赤に染まっている。
「…どうして、こんなことにー…」
お父様の頬にそっと手を触れたが、もう身体は冷たくなっていた。
「兄様…」
兄様の頬にも触れたが、やっぱり冷たい。
「…どうして…」
北国はこの国と、外交を深めようとしてたんじゃないの?
お父様や兄様だけではなく、どうしてお母様までー…
全くわからない。