姫は王となる。






「そこで、私から大臣方にお願いがございます」


喜び合っている大臣たちに対し、風は声を張って言った。


シー…ン




立っていた大臣は着席し、話をしていた大臣は黙って風の方を見た。







「私は先ほど、北国が攻めてくるのは時間の問題と言いました。そこで、北国との国境の境界線に護衛兵を数百人規模で配置をしたいと思っております」


「!?」


何…その話ー…

そんなこと聞いてない。


「先日の国境近くの村が襲われた件もありますし、国境の警備にも問題があると報告もありましたので早急に手を打たなければなりません。そこの責任者として、護衛長である私が兵を率いて向かう予定であります」



「!?」




な…



ザワザワ



「私が留守にしている間、王様の護衛は副長の雨宮が務めますので…」

「そんなこと聞いてない!!!!」




とうとう我慢できなくなり、風に向かって大きな声を張り上げた。








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