姫は王となる。






「もっ…申し訳ございません!王様」



老婆は手を床につけ、土下座をした。


「何度も王様に申し上げようとしましたが……護衛長にも口止めをされておりまして…私は…」


何度も申し上げようと…?

ふと、今朝の老婆のことを思い出した。


"昨日の風の身勝手な言動、大変申し訳ございませんでした。ただ、風は…"


頭を下げ謝罪をする老婆の言葉を、私は遮ったんだ。



"王様…しかし…"

いつもならすぐに退室する老婆も、今朝はなかなか出て行かなかった。


"王様…お待ちください…風は…"



何度も何度も、老婆は私に言おうとしていたー?











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