姫は王となる。
自室へと向かう長い廊下では自分の足音と、少し離れて付いてくる警備兵の足音しか聞こえない。
「今日のは、さすがに堪えたよな…」
後ろの警備兵に聞こえないように、ぼそっと出てしまった一人言。
会議を開くたびに減っていった大臣の人数だったが、今日はついに誰も来なかった。
やっと一人の大臣が来たと思ったら、国民の不満を伝えに来ただけ。
「王様は何もしてくれない…か…」
図星過ぎて、何も言えなかった。
その通りだからだ。
一ヶ月も経っているというのに、私は王として何もしていない。
自分が情けなさすぎて、老婆には八つ当たりをしてしまった。
¨私みたいな王に使えるのは、大変であろう?嫌なら、いつでも辞めていい¨
そう老婆に言ってしまったが、風もいなくなった今、老婆までいなくなったら私は何もできない。
「何してんだろうな…この国の王様は…」
自分で自分のことを言って、もっと情けない気持ちになった。