姫は王となる。
生まれてからずっとこの城の中で生活しているから、どこに警備がいるのかはだいたい頭の中に入っている。
後、私しか知らない抜け道も。
「やっと、出れた…」
自室から出て数十分後、警備に見つかることもなく城の外に出ることができた。
昇りきっていなかった朝日も、今は眩しく光っている。
「行こう」
城から街へと続く舗装された道ではなく、城の裏の森に向かって歩き出す。
この森を歩けば、きっと誰とも会わない。
黙って城を出たというのに、早々と見つかっては意味がない。
直で村民の声を聞き、この国の王としてやらなければいけないことを、知らなくてはいけない。
¨王は何もしてくれない¨
そんなことを、村民から…国民から二度と言われないようにー…