ダメ女
地獄
○○とのデートは、基本、○○の車でした。

「どうだった?遊園地は?」

「楽しかったよ。でも、酔っ払いに電車の中で絡まれた。」

「大丈夫?」

「大丈夫だよ。遊園地は楽しかったし。」

「あのさ、キスしても良い?」

「…良いよ。」

○○とキスした瞬間、僕は冷たいと感じた。

「また、映画観に行こう。」

と○○から言われた。

この時、彼女は東京で泣いていた。

映画を観ても○○は、泣かなかった。

○○は、小児がんだった。

身体中の血液を交換したらしい。

「自分も大変だったから泣けないんだよね。」

僕は、有頂天になっていたのでそこで後戻りをすれば良かった。

血も涙もない○○の正体がわかっていれば…。

まず手を繋ぐ事も

キスする事

抱きしめる事も

○○とは出来なかった。

電話で聞いた。

「そういう関係になるにはもうちょっと待って。」

「何で?」

「恥ずかしいから。」

最初は、面白かった。

○○は、少し変わっていると思う事にした。

一度だけ一緒に寝た。

僕の部屋で。

セックスは無しでDVDを借りて観た。

○○が選んだのはスプラっタ映画だった。

僕は、恋愛映画を選んだ。

しかし、○○には恋愛映画には何も感じないらしい。

「恋愛映画って意味不明。」

そう言って○○はスプラっタ映画に夢中だった。

この時は何も知らなかった。

「あのさ、変な事、聞くけどレズじゃないよね?」

「え!違うよ、じゃなきゃ君のうちに泊まったりしないでしょう?」

「そっか。」 

恋は盲目である。

前の彼女は、将来の話をしていた。

しかし、○○は結婚なんて考えてもいないらしい。

○○は、天真爛漫な小悪魔だった。

人の物を欲しがる。

男女関係で問題は多かった。

良く愉快そうに昔の彼氏の話をしている。

正直、昔の彼氏がかわいそうに聞こえた。

これから自分も同じようになるとは思ってもいなかった。

ある日、○○が会社を休んだ。

お昼の休憩時間に○○からメールが来た。

【ドライブしない?】

【体調大丈夫なの?】

【治ったからメールしたんだ。】

【了解!行く!よ。】

嬉しいメールだった。

仕事終了後、彼女が車で迎えに来た。

「テラスモール行かない?」

「うん、良いよ。」

車中、○○は、仕事の話をしていた。

テラスモールに到着するとカレー専門店があった。

「カレー好きなの?」

「大好きだよ。」

僕は、たくさん食べたが○○は少ししか食べなかった。
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