『The story of……』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


あれから十二谷くんとは一切口を聞いていない。



学校で見かけても、体が自然と避けてしまう。



けど、良いか悪いかそうも言っていられない状況になってしまった。



週末になり、例のアンケートの打ち込みと印刷の作業の為に集められた委員会。



みんなが居れば大丈夫だと思って安心していたわたしを、



「じゃあ、上総さんは俺と一緒に原稿の打ち込みね」



何を思ったのか、十二谷くん自ら作業のペアへと推薦してきたのだ。



「それじゃあ、作業開始」



委員長の開始の合図で委員それぞれが持ち場に付き、風紀会議室にはわたしと十二谷くんだけが残された。



与えられたパソコンの前に座るわたしの隣で、何食わぬ顔でキーボードを叩いていく十二谷くん。



(何考えてるんだろ……)



正直、居心地は最悪だ。

すぐにでも逃げ出したい気持ちを抑え、パソコンに向かった。
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