5人の王子とお姫様!



「心配…してくれたの…?」


下から覗き込んで聞けば、ほんのり赤みを帯びていく昴の顔。


振り払われた手。



「ちっ、ちが……!た、ただ……っ」



……残念。


嫌がられたけど、まあ……いいや。



「分かってるから、大丈夫」



言いたくても言えない。


言ったら傷付けてしまうかもしれない。


そう思っているだろう、可愛い可愛い弟のことだから。


よく分かってる。


それはもう、痛いほどに。



だから、無理をしなくていいと意味合いを込めて。


言いながら、深く頷いてみせる。



傍では、さっきまであれだけご機嫌だったお母さんが心配そうに私たちを見てる。


本当は、ちゃんと分かってるよ。


娘を心配して、転校させてくれたんだよね?


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