5人の王子とお姫様!
体育祭を楽しみにしているとは思えなかったけど。
それなら何が空をそこまで突き動かしているのか。
……謎だ。
疑問を感じて考えていると。
「なあなあ、ちぃと聞いてもええか?」
独特の関西弁が聞こえて、肩を叩かれた。
振り向くと案の定、そこには光邦が立っていた。
「……なに」
思いのほか素っ気ない声が漏れてしまった。
暑い中で、さらに輪をかけて暑苦しい人物に遭遇してげんなりする。
あからさまに顔に出す私に気付いているはずだけど、何のそのとヘラヘラ笑いながら話しかけてくる。
「俺ら2年の集合場所ってどこか分かるか?いやあ、担任の話聞いてなくてな、困ったわぁ」
「知らない」
それを私に聞かれても困る。
学年が違う私が知っているわけがない。
楓斗にでも聞けばどうか、と言いかけたけどクラスが違うことを思い出した。