5人の王子とお姫様!
「はっ、はあ…はあ……」
ぐらりと体が揺れて、ついに慶太たちの前に出てしまった。
一瞬驚いた顔が愉悦に歪むのを見た。
焦点が合わない目で震える掌を握りしめて、壁を作ってみてもやっぱり脆い。
「こりゃまた偶然。久しぶりだなぁ、柳瀬よぉ?」
自分に向けられるもの全てが不快で、全神経を持って私の体が拒否反応を起こす。
吐きそうになる。
聖も空も、楓斗も琉羽も光邦も。
ここには前みたいに守ってくれる人たちはいない。
都合よく機転のきく行動を今の私にできるわけもない。
「そういえばぁ、あのイケメンの子たちはどこぉ〜?」
「あ…っい、いな…い」
「なぁんだ、つまんなーい」
あの海の日のことを言っているのだろう、甘ったるい口調にまたビクリ。
つっかえながら言葉を返す私に、美奈江は面白くなさそうにくるんくるんの髪を指に巻きつけて弄ぶ。
と、不意にニヤリと笑ってじゃり、と一歩近付いてきた。