5人の王子とお姫様!
大嫌いな手。
痛むくらい唇を噛み締めて、ふっと息を吐く。
スッと慶太を見上げて、触れようとしてきた手を振り払った。
「な、ぁっ…!?」
怖くて、逆らったことがなかった。
一人じゃ何もできないって思ってた。
だったら、もう……どうでもいいって。
知らぬ存ぜぬを突き通してたら……
一人に、なってた。
悲しいって思わなかったけど、楽しいとも思わなくて。
気付いたら転校して、高校生になってて。
今の皆といると、毎日が平穏に過ぎて幸せな気持ちになって。
そうしたら、すっかり逃げ癖が付いてて、前に戻れなくなって……
いつの間にか、胸にぽっかり穴が空いてた。
変、なの…。
自分が決めるのに、他人が干渉できるわけないはずなのに。
あんな…ビクビクしてたなんて。
もう、迷わない。
今の私は、優しくしてくれた皆がいるから。
そう認識すると、自然と自分が強くなれた気がした。