5人の王子とお姫様!



地面に膝を着いた私に、手が差し伸べられる。



それは、親切?それともまた、嘘…?


震えて焦点の合わない目を見開かせて、必死に必死に、聞こえない声で問いかけた。



「悪い、立てるか?」


その声を耳にした瞬間、途端に安心して体中の力が抜けた。


「あっ、あんた……っ」


理沙子姐さんの戸惑った声が聞こえる。


相手も、驚いてるみたいだった。



「…は?お前何でこんなとこに……って、天音も一緒だったか」


頭上からかけられた声に、堰を切ったように涙が溢れた。


名前、また……呼んでくれた。


こんな状況で、不謹慎にもそんなことを思ってしまった。



「お、おい…っ?何でお前泣いて…」


「……っふ、ぅと…」


どうしていいか分からないって顔の楓斗。


私は自力で立ち上がって楓斗に抱き付いた。


反動で、楓斗が後ろに倒れこむ。


< 536 / 545 >

この作品をシェア

pagetop