5人の王子とお姫様!
「あ、ああ……実は…」
理沙子姐さんが事情を説明しかけた時。
平気で心を蝕んでくような残忍な声が遠くから、聞こえてきた。
「おら、どけよてめぇら!どけっつってんだろーが!!
柳瀬ぇええー!!どこ行ったゴルァっ!!」
まだ、見つかってないはずなのに。
人波を押し退けて乱暴に近付いてくる声に、強く強く耳を塞ぎたくなる。
それでも聞こえる声は、意図せず体をもっと大きく震えさせる。
「あいつら…」
気付いた楓斗の苛立つ声と、背中に回って体を包む温もりが不安を消してくれた。
と、締め付けて痛いくらい、強く回された腕に力が入っていることに気付いた。
楓斗……すごく、怒ってる…。
異常な感情の起伏を敏感に感じ取って、何故だか悲しくなった。
関わったらいけない。
頼ったらいけない。
自分以外の誰かを、傷付けるかもしれない。
だけど、もう……
離れたくない…。