秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~


「尚人・・・。」

「華・・・。」

わたしは佑介と尚人の前に座っていた。

日曜日の昼下がり、そんなに人の多くないカフェの2階席。尚人は会ってもいいと返事をよこしたらしい。

一瞬気まずい沈黙が続くのかと思ったが・・・

「華・・・悪かった!」

という尚人の大きな声でその沈黙は破られた。

店内の客がこちらをちらちらとみている。

「わたしが8年間聞きたかったことは謝罪の言葉だけじゃないよ。尚人。」

わたしもここに来たからには聞きたいことは聞こうと腹をくくった。

尚人とのことが佑介に聞かれるのは気まずいとは思ったが、わたしの過去なんてどうでもいいと言ってくれた佑介を信じることにした。

「わかってる。謝罪してもしきれないくらいひどいことを俺はした。」

「尚人。本当のことを教えて。どうしてわたしのもとを去ったのか・・・」

尚人は意を決したのか腰を据えると、話し出した。

「俺が華の家の財力に目がくらんで最初は華に近づいたってのはうそとは言えない。
でもそれだけじゃないよ。華のことは心から好きだったし。」

・・・・

「けど、貧乏だった奨学生の俺にとっては華の家の財力は魅力だったし、修二《しゅうじ》さんが結婚するなら会社をやると言ってくれたことで目がくらんでしまったのかもしれない。」

・・・・

「松本さんは俺に修二さんに社長を退いてもらったら銀行から融資を受けられると俺にけしかけてきた。
そしたら会社はすぐに君のもんだって・・・
ほんとは自分が借金で会社を売って金を作りたかっただけだったんだっていうのはあとでわかった話だけど・・・」

尚人は一息ついてアイスティーを飲んだ。
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