秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~
『はい。どうしましたか?』

朝倉部長からの着信だった。

『瀧。すまん。』

『何がですか?』

『及川ののことだけど・・・』

俺はスマホのスピーカーボタンを押した。
華が何事かと耳を傾ける。

『及川がアモーレで働いていたことがバレた。
俺のせいだ。ほんとにすまん。』

は?華を見ると凍り付いた表情をしている。

『どういううことですか?』

『わからないけど、俺とミカちゃんの写真が昨日社長の自宅に送り付けられた。まぁそれはいいとして・・・。
そこに及川が一緒にうつってて・・・さっき社長から電話があって、俺のミカちゃんとの関係とかこの写真が及川かどうかと追及されたよ。』

朝倉部長の奥さんは社長の妹だ。そりゃ絞られるだろう。

けど華がうつっててそれがバレたからって・・・。

『それが華だって部長言ったんですか?』

『言ってないよ。
俺の狸っぷりを甘くみるな。しらばっくれてやったさ。もちろんミカちゃんのこともな。
ただ、もしかしたら週明け会社に写真が出回るかもしれん。たぶん、会社の誰かかもしくは会社に近いやつが社長に送り付けてきてる。』

『けど・・・現行犯じゃないから追及されることもないですよね?』

『ないよ。
ただ、及川にはつらい思いをさせるかもしれんと思ってな・・・せっかく最近表情も豊かで綺麗になってきたのにな・・・』

『わかりました。華と話し合います。
事前に知らせていただいてありがとうございます
。あの、ひとつ確認ですがその写真に俺は映ってないんですか?』
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