あいつと過ごした時間
トントンー

「はーい」

ガラガラー

あい「こうへい...」

「あい...」


俺はびっくりした。


あい「私..こうへいに...」


あいは、何か言いかけた。
多分病気の事だ。
でも、俺はあいに言われるのが怖くて、沈黙が気まずくて…笑顔で口を開いた。


「ビックリさせたよな。ごめんな。もう大丈夫だから。明日には退院するよ。」

あい「え...?なんで?大丈夫なの?」


あいは、不思議そうな顔をしていた。


「大した事ないからだよ。だから、すぐ退院にっなったの!心配かけて悪かったな...。」

あい「こうへい...?」

「ん?」

あい「こうへいなんで倒れたの...?」

来た…

「ただの風邪だよ。なんか熱あったみたい。」

あい「でも、私抱きしめた時...熱くなかった...」

あいは俯いた。


「あい?本当だよ。俺を信じて?」


あいは顔を上げた。
でも、あいの顔は今にも泣きそうだった。

「あい?こっちおいで?」


あいは、ちょこちょこと小走りでよってきた。

「あい?俺ね、本当はあいの事...大好きなんだよ。でもね、今はまだ付き合えない...。俺がちゃんとしてからじゃないと...。今のままだとあいの事守れないから...。だからごめんな...」

あいは静かに涙を流した。

俺は、あいの事を思いっきり抱きしめた。


「ごめんな...。あい...。」

俺の声は微かに震えていた。
あいは大丈夫って言葉の代わりに俺を抱き締めてくれた。


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