あいつと過ごした時間
しばらくし、父さんと母さんは帰って行った。

それから1時間くらいし、はやとが来た。

はやと「大丈夫か?」

「昨日は悪かったな。」

はやと「本当だよ。何があっても走んなかったお前が走るなんてなw」

「俺もびっくりしてる。」

はやと「なあ、あいお前の病気気づいてるぞ。」

こうへい「はあ?!」


俺はびっくりした。


はやと「俺は違うって言っといたけど、あいの母ちゃん心臓病で亡くなってるらしいぞ。」

俺は俯いて何も言えなかった。


はやと「あいつ、もしかしたら直接聞いてくるかもしれねよ。どうすんだよ。」


「...あいには、何があっても言わないつもり。だって、親が俺と同じ病気で死んでんだぞ。言えねえよ。」

はやと「でも、お前は運動とかしなきゃ大丈夫なんだろ?」


はやとには、ちゃんと話しとかなきゃな…
俺は、俯きはやとに本当の事を話し出した。


「...ごめん。お前だけには言っとくわ。...俺の心臓もうだめかもしんねえ...」

はやと「...は?お前どうゆう事だよ。大丈夫って言ってたじゃねえーか。」

はやとは掴みかかってきた。
俺は俯いたままわりぃと一言言った。


はやとは、胸ぐらを離した。

俺は悔しくて、辛かった。
泣きそうになり、唇を噛み締めた。


「好きな女もろくに守れないやつがいくら好きで、好きでしょうがなくてもオッケーなんてできねえだろ。俺だってできる事ならあいつと付き合いてえよ...」


俺は、怖くてはやとの顔が見れなかった。


「俺、先生に言われたんだ。次発作が起きたら命の保証は出来ないって...だから入院しろって。でもさ、俺断ったんだよ。ギリギリまで、あいと居たいから。」

はやと「...っ!!ふざけんな。それだけはなにがあっても絶対に許さねえ。」

顔を見なくても、はやとの静かな怒りが感じられた。
俺は、窓の外に目を向けた。

「なあ、はやと。俺さあ初めてなんだよ。こんなに人を好きになるの。愛おしくて、愛おしくて俺にとってはあいが全てなんだよ。分かってくれるよな。」

はやと「分かんねえよ...。」

「はやと…」

俺ははやとの顔をみた。


はやと「でも、俺は...認めるしかねえんだろ。」

はやとは悔しそうな顔をしていた。


「さんきゅ。」

はやと「でもその代わり、今まで以上に過保護になるからなw」

はやとは笑った。

こうへい「お前は親かw」

俺も笑った。


「なあ、夏休みみんなで旅行いかね?1泊2日でさあ!」

はやと「お前はばかなの?今言ったばっかだろ。」

そういうと思った
でも…

「最期の想い出作りたいんだ。生きててよかったって思えるようなさ...。」

はやと「最期って...」

「多分夏休みくらいが、元気な姿でみんなと居られる最期だからさ...」

はやと「なんでそんな事言うんだよ」

「やっぱ、自分の身体だから何となくわかっちゃうんだよね...不思議だよね」

はやと「ふざけんな。お前はもっと生きるんだよ。」

「...そうだよな...。」


俺は嘘でも肯定が出来なかった。
曖昧な答えしか出せなかったんだ。


はやと「俺、そろそろ行くわ。」

「おう。明日には退院する予定だから。そのまま学校もいくつもり。」

はやと「じゃあ明日朝いくよ。」

「おう!待ってるわ。じゃあな。」

はやと「おう!」


はやとは笑顔を残し、病室を後にした。

俺の心は凄く穏やかだった。
ごめんな。
でも、いつも俺の事尊重してくれてありがとう。

俺ははやとが出て行ったドアを見つめながらそう静かに呟いた。


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