聖なる告白
3
その夜、私と沙織は一平君を部屋に招き入れた。
夕食を一緒に食べようと提案したのは私だ。嬉しそうに承諾する彼を見て、内心ほっとした。私の気持ちの変化に、彼はまったく気付かぬようで、屈託のない笑みを浮かべていた。
新鮮な海の幸がずらりと並ぶ座卓を三人で囲み、ビールで乾杯する。
喉を鳴らしてビールを飲む一平君はいつになくワイルドだ。浴衣の衿もとから覗く胸板が、男らしさを感じさせる。
(ああ、眼福だわ)
私の劣情を知らず、彼はご機嫌な様子でビールを注ぐ。淡々とした態度は相変わらずだが、二杯目を飲み干したあと、正面に座る私達にちょっと照れた笑みを浮かべた。
眼鏡をかけた顔も、よく見ると素敵だ。私はこれまで、彼の顔をじっくり見たことがなかった。
「旅先で飲むビールって、うまいよね。今夜は特に……」
一平君は何か言いかけて、なぜか言葉を濁す。私と目が合うが、瞬きしながら沙織へと顔を向けた。
夕食を一緒に食べようと提案したのは私だ。嬉しそうに承諾する彼を見て、内心ほっとした。私の気持ちの変化に、彼はまったく気付かぬようで、屈託のない笑みを浮かべていた。
新鮮な海の幸がずらりと並ぶ座卓を三人で囲み、ビールで乾杯する。
喉を鳴らしてビールを飲む一平君はいつになくワイルドだ。浴衣の衿もとから覗く胸板が、男らしさを感じさせる。
(ああ、眼福だわ)
私の劣情を知らず、彼はご機嫌な様子でビールを注ぐ。淡々とした態度は相変わらずだが、二杯目を飲み干したあと、正面に座る私達にちょっと照れた笑みを浮かべた。
眼鏡をかけた顔も、よく見ると素敵だ。私はこれまで、彼の顔をじっくり見たことがなかった。
「旅先で飲むビールって、うまいよね。今夜は特に……」
一平君は何か言いかけて、なぜか言葉を濁す。私と目が合うが、瞬きしながら沙織へと顔を向けた。