触れられないけど、いいですか?
ソファに並んで腰をおろした私達は、正面に座るお義父様お義母様と会話する。
と言っても、本題ではなく、最近の気候とか、ニュースの話題とか、差し障りのない話ばかり。何度か翔君が本題に入ろうとしたのだけれど、その度にお義父様が「そう言えばこの前……」といったように話を逸らす。一度だけではなく、数回。しかもそれが分かりやすい逸らし方だから、たまたまではなくわざと話を逸らしているということは明らかだ。
だけど、何度目かのそんなやり取りの後、お義父様がお義母様に言った。
「ちょっと、席を外してくれるかい?」
すると言われた通り、お義母様は立ち上がり、リビングの外へ出ていく。
ようやく本題だ……と思い、小さく唾を飲み込み、膝の上に乗せていた両手で握り拳を作り力を込める。
……けれど。
「翔も外してくれる?」
……え?
「俺も?」
「そう」
さすがの翔君も、これにはぽかんとして、状況が理解出来ないといった様子だ。勿論私にも理解出来ない。
ただ、お義父様はただ意味のないことをさせるような人ではない。
私以上にそれが分かっている翔君は、首を傾げながらもお義母様同様、リビングから出て行った。
……お義父様と二人きりになってしまった!
と言っても、本題ではなく、最近の気候とか、ニュースの話題とか、差し障りのない話ばかり。何度か翔君が本題に入ろうとしたのだけれど、その度にお義父様が「そう言えばこの前……」といったように話を逸らす。一度だけではなく、数回。しかもそれが分かりやすい逸らし方だから、たまたまではなくわざと話を逸らしているということは明らかだ。
だけど、何度目かのそんなやり取りの後、お義父様がお義母様に言った。
「ちょっと、席を外してくれるかい?」
すると言われた通り、お義母様は立ち上がり、リビングの外へ出ていく。
ようやく本題だ……と思い、小さく唾を飲み込み、膝の上に乗せていた両手で握り拳を作り力を込める。
……けれど。
「翔も外してくれる?」
……え?
「俺も?」
「そう」
さすがの翔君も、これにはぽかんとして、状況が理解出来ないといった様子だ。勿論私にも理解出来ない。
ただ、お義父様はただ意味のないことをさせるような人ではない。
私以上にそれが分かっている翔君は、首を傾げながらもお義母様同様、リビングから出て行った。
……お義父様と二人きりになってしまった!