触れられないけど、いいですか?
その後、翔さんが連れてきてくれたのは、高層ビルの三十階にあるフレンチレストラン。
彼は窓際の特等席を予約してくれており、高さ五メートル程の大きな窓から見える景色は夜景が眩しく、とても綺麗……。
「本当に素敵ですね、この景色」
「そう言っていただけて良かったです。食事の方はいかがですか?」
「とても美味しいです! 特にこの鴨肉!」
「はは。それは良かったです」
……あ、しまった。夜景と食事が素晴らしすぎて、思わず子供みたいにはしゃいでしまった。もっと落ち着いた女性として振る舞わないと……。
そんなことを考えながら食事を続けていると、翔さんから無言でじっと見つめられていることに気付く。
どうかされましたか? と尋ね、首を傾げると。
「昨日から思っていたんですが、さくらさんって食事の所作や立ち居振る舞いの一つ一つがとても綺麗ですよね」
「え、そ、そうですか?」
「はい」
「ありがとうございます。そういう教養は幼少期から厳しく躾けられていたので、そのお陰かもしれません」
「そうなんですね。字も所作も美しいなんて本当に素敵だなと思って」
「そんな……でも嬉しいです」
お世辞でもそんな風に褒めてもらえるのは嬉しいなと思い、素直に受け止めていたけれど……
「だけど、本当に綺麗なのは字でも所作でもこの夜景でもなく、さくらさん自身です」
……その言葉には上手く返事が出来なくて、言葉を詰まらせ、顔を俯かせてしまった。
彼は窓際の特等席を予約してくれており、高さ五メートル程の大きな窓から見える景色は夜景が眩しく、とても綺麗……。
「本当に素敵ですね、この景色」
「そう言っていただけて良かったです。食事の方はいかがですか?」
「とても美味しいです! 特にこの鴨肉!」
「はは。それは良かったです」
……あ、しまった。夜景と食事が素晴らしすぎて、思わず子供みたいにはしゃいでしまった。もっと落ち着いた女性として振る舞わないと……。
そんなことを考えながら食事を続けていると、翔さんから無言でじっと見つめられていることに気付く。
どうかされましたか? と尋ね、首を傾げると。
「昨日から思っていたんですが、さくらさんって食事の所作や立ち居振る舞いの一つ一つがとても綺麗ですよね」
「え、そ、そうですか?」
「はい」
「ありがとうございます。そういう教養は幼少期から厳しく躾けられていたので、そのお陰かもしれません」
「そうなんですね。字も所作も美しいなんて本当に素敵だなと思って」
「そんな……でも嬉しいです」
お世辞でもそんな風に褒めてもらえるのは嬉しいなと思い、素直に受け止めていたけれど……
「だけど、本当に綺麗なのは字でも所作でもこの夜景でもなく、さくらさん自身です」
……その言葉には上手く返事が出来なくて、言葉を詰まらせ、顔を俯かせてしまった。